犬を飼うことで得られる癒やし効果

   

どうして犬を飼うと癒されるの?

仕事や学校から疲れて帰ってきた時、いつもと変わらない姿で出迎えてくれる愛犬の姿を見ると、とても癒されますよね。

「これまで動物に無関心だったのに、犬を飼い始めてから穏やかな性格になった」

「犬を飼ってから家族との会話が増えるようになった」

という声もあるほど、犬たちは人間にさまざまな変化をもたらしてくれます。

どうして犬を飼うと人は癒されるのでしょうか?そんな疑問を感じたことありませんか?

そこで今回は犬を飼うことで得られる癒やし効果について、詳しく解説していきたいと思います。


どうして犬を飼うと癒されるの?

犬の癒やし効果

ペットを飼って良かったことをあげるとしたら、何が思い浮かびますか?

何より「癒されるから」という理由が多いのではないでしょうか。

ペットを飼い始めた理由はそれぞれあるとしても、忙しい日常を送る人たちにとって、変わらず自分を待ってくれている存在がいることは喜びです。

ペットの中でも最も付き合いが長い犬は、人間にとって1番身近な動物と言えます。

犬が私たちに与えてくれる癒しの根本は何なのか、まずは犬と人の歴史をさかのぼってみましょう。

大昔から犬と人は仲間だった

犬と人

今からおよそ3万年前、すでに犬は人間のそばで生活していたとされています。

その昔、人間にとって動物は自分たちを脅かす天敵か、食糧でしかありませんでした。そんな人間が初めて共同生活する動物として選んだのが犬なのです。

一説によると最初に人が犬を飼い始めたのは、犬の祖先であるオオカミの中で人に懐きやすい個体を選び、一緒に暮らし始めたことがきっかけだと言われています。

犬は人間の家族のように群れを持ち、リーダーに従って生活する動物です。共に集団生活するという共通点があったからこそ、犬は人に慣れることができたのではないでしょうか。

犬には人間よりも嗅覚や聴覚に優れ、足も速く、狩りの能力に優れていたため、人間は犬と共同生活することで、不足している部分を補おうとしていたと考えられます。

アメリカの生物学者ジョン・モーガン・オールマンが「人間の祖先であるホモ・サピエンスが生き残ってこれたのは、犬を自分たちの仲間にしたからだ」と語っているように、犬は人間にとって狩りの相棒であり、生活していく面でいろいろな手助けをしてくれる重要な役割を担っていたのでしょう。

原始の血の説

原始時代、人は植物や動物たちからさまざまな情報を得て、暮らしていたと考えられます。

植物の変化から季節の移り変わりや、気候、風向きなどを知るように、動物たちの動向もまた重要な情報源の1つでした。

例えば、小さな動物たちが何かに警戒する仕草をしていたら、近くに天敵がいるというサインになったかもしれません。逆に動物たちが穏やかに過ごしている姿を見れば、今は安全な状態だと判断したのかもしれません。

犬に関して言えば、人間が無防備になりやすい真夜中は、危険な肉食獣が近づけないように見張り役を務めていたはずです。犬もまた、狩りの獲物を分け与えられ、寝床を共にすることで安心できる居場所を確保していたのでしょう。

このように「穏やかな動物たちの姿を目にすることで、自分も安心できる」という考え方は原始の血の説と呼ばれ、現代人が犬に触ると安心するのは原始時代の記憶が私たちの脳に刻まれているからではないかと考えられています。

犬を飼い始めることでもたらされる変化

犬との触れ合い

実際、複数の研究によって犬や猫といった動物をぼんやり眺めているだけで、人の自律神経が安定し、心拍や血圧が下がったり、動物の体に触ることで精神が安定する事実が明らかになっています。

こうしたデータから、現代では動物の癒やしの効果を利用したアニマルセラピーが注目されています。このアニマルセラピー、みなさんも一度は耳にしたことがあると思います。

福祉や医療で活躍する犬たち

介助犬や盲導犬など、人の役に立つ犬たちは多くいますが、その中でも人の健康を維持に役立てる目的で動物が用いられることがあります。

  • アニマルアシステッドセラピー(動物介在療法)
  • アニマルアシステッドアクティビティ(動物介在活動)

アニマルアシステッドセラピー(AAT)は、動物がもたらすストレス緩和効果、動物に触りたいという欲求を活用して、リハビリや心理療法など、さまざまな形で人間の医療に役立てていくことを目的に行われているものです。

AATは医師や看護師といった有資格者がいなければ行えません。セラピーと謳えるものは、有資格者がいる場合のみに限ります。

もう1つのアニマルアシステッドアクティビティ(AAA)は、患者のレクリエーションの一環として用いられる活動の1つで、動物を連れた福祉施設や医療施設、教育施設への訪問を指します。医療行為ではないため、活動に関わる人々は資格の有無を問いません。

AATで活躍する犬はセラピー犬と呼ばれ、活動を通じて多くの人たちを癒しています。

施設の人たちの中には、犬との触れ合いを楽しみにしている人もいれば、治療を乗り越えるための活力にしている人たちもいます。

犬と触れ合うことで笑顔が生まれ、健康的にも精神的にも力になるのですね。

しかしどんな犬であってもセラピー犬になれるわけではありません。

怖がりな子や人に触られることに慣れていない犬にとってはストレス以外の何物でもありません。

AATやAAAのような活動は、犬が心身ともに健康で良好であることが前提です。

怖がっている犬を見て癒されるという人はいませんよね。原始の血の説に基づいて言うならば、「犬たちの幸せそうな姿を見て、自分たちも癒される」ことが重要なのです。

人が癒されたいと思う時

落ち込む女性

どうして犬を飼うと癒されるのか、それは原始時代から共に生活してきた仲間であり、互いに信頼し合って生きてきた歴史が根本にあるのかもしれません。

日常生活において、辛い時もあれば苦しい時もあります。誰とも話したくなくて、家から一歩も出たくないと思う時もあります。

そんな時、犬が傍にいたら私たちの生活はどのように変わっていくでしょう。

犬の体に触ればぬくもりを感じ、寂しさを埋めてくれます。名前を呼べば近くに来てくれます。

ごはんをあげれば喜んでしっぽを振り、何を言っても黙って話を聞いてくれます。犬にとって信頼できる相手ならば、どんな時でも無条件に愛してくれるでしょう。

自分を必要としてくれる相手、無償の愛を与えてくれる相手、それが犬なのです。

仕事から疲れて帰ってきても、犬は変わらずそこにいて迎え入れてくれる。そんな存在が近くにいれば、誰しも心の拠り所だと感じるのではないでしょうか。

犬のために人が動く

犬を飼っている人は、そうでない人と比べて「うつ」になりにくいと言われています。

それは自分を頼りにしてくれる相手がいるということを実感できるからかもしれません。

また、犬の存在は人の行動を誘う動機づけにもなります。

例えば犬がお腹を空かせていればごはんをあげるために人は動きますし、散歩に連れていくために外出します。こうした動機づけによって、それまで家に引きこもっていた人が外へ出向くようになったという話もあります。

犬を飼うことは癒されるだけでなく、人の行動を引き出す効果もあることがわかりますね!

まとめ

犬と人

犬が人にもたらす癒やし効果についてお伝えしました。

もちろん癒してくれる動物は犬に限らず、猫やウサギといった他のペットたちも飼い主さんに多くの癒やしと安らぎを与えてくれるでしょう。

しかし犬は長い歴史の中で、最も人間と深い関わりを持ってきた動物です。犬ならではの従順さや一途さも、とかく忙しい日常を送る人々にとっては、癒やしの対象となるのかもしれません。

日々癒やしをくれる犬に感謝して、同じだけ、いやそれ以上の愛情を返していきましょう!

それではこれからも、愛犬とステキなわんライフをお過ごしください♪

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