犬にもうつ病があるって知っていますか?【飼い主さん必読】
2018/02/04
心の病と言われているうつ病ですが、何も人間だけの病気ではありません。
2017年11月にコロンビア北部の都市ブカラマンガ近郊のパロネグロ国際空港で、飼い主さんに置き去りにされたわんちゃんが、捨てられたショックと寂しさのあまり、ごはんを全く食べなくなってしまい、置き去りから約1ヶ月後に栄養失調で死んでしまいました。
私はこの出来事を記事で読んだとき、とても胸が苦しくなりました。。。空港内で必死に飼い主さんを探し回り、そしてついにはあきらめ、最後は生きる気力を失う。こんな悲しいことがあっていいのでしょうか!
この出来事を受けて、一度しっかりと犬のうつ病について考えてみたいと思いました。
孤独や寂しさを感じることができる犬も、人間のうつ病に似た心の病にかかることがあるのです。
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Contents
犬がかかるうつ病の原因とその症状とは
いつも元気に楽しそうに走り回っていたり、たくさんご飯を食べてゆっくり寝ている幸せそうなイメージの犬達ですが、それは人間が勝手に思っているイメージなのかも知れません。
言葉が話せない犬の気持ちを正確に理解することは不可能です。だからこそ、うつ病にかかっている犬がいても、それが人間と同じうつ病と言う病気であるのかはわかりません。
しかし、犬が心の病にかかることは確かなようです。
犬の心の病はうつ病?その原因とは
犬の心の病を、人間と同じうつ病と考えた場合、その原因となるものはどんなことでしょう。実は飼い主である人間の言動が原因となっていることが多いのです!
分離不安
大好きな飼い主さんが出かけてしまうと、飼い主さんに置いていかれたと犬はとても不安になることがあります。
飼い主さんと離れたくない思いが心を不安定にし、ごはんも欲しがらない、元気が無くしょんぼりしているなどの姿が見られるようになります。
不安で吠え続けたり、家の中を破壊するほど暴れたりすることもあります。
文頭で紹介したコロンビアでの出来事はこのケースに該当するのかも知れません。
家庭の環境
全ての飼い主さんが完璧に犬を飼うことができるとは限りません。自分の機嫌が良くない時に、犬を怒鳴り散らしたり、家族でけんかしている様子を犬に見せたりすることで、犬の心は不安になっていきます。
そして、その家が犬にとって居心地の悪い場所になってしまうとしたら、それは飼い主さんの責任です。
引越しなど生活環境の変化
住み慣れた家を引っ越しする場合、犬が引っ越し先の新しい場所に順応できるかなども、色々よく考えて行動に移さなければいけません。
環境の変化にまずは慣れることが大切ですが、うつ病にかかりやすい環境は間違いなく、犬にとってストレスを感じやすい場所と考えられます。
近所で大きな音がする、しょっちゅうバイクや車、電車の音が聞こえるなど、慣れない犬にとっては落ち着かない環境です。
原因はひとつではない
犬がうつ病になる理由が何であれ、原因はひとつでないことが多いです。色々な原因が重なって、犬の心が病気にかかっていきます。
うつ病の犬が見せる症状とは
人間がうつ病にかかった場合の症状と言えば、
- 気持ちが落ち込む
- 無気力になり何も興味が無くなる
- 食欲も湧かず急激に痩せたり、逆に太ったりする
- イライラして怒りやすくなる
などが見られますが、犬も同じような症状を見せます。無気力になり食事を食べなくなることは人間と似ています。
犬特有の症状としては、かまって欲しくていたずらをしたり、意味なく吠える、また自分の手足を舐め続けたり噛み続けたりと自虐行為を行う場合もあります。
日ごろから、犬の行動を見ている飼い主さんは、このような変化があればいち早く気付いてあげて下さいね!
うつ病にかかりやすい子の特徴とその予防方法
では、どんな犬がうつ病にかかりやすいと考えられるのでしょうか?
室内で飼うような小型犬がかかりやすいのか?外で飼うような大型犬は精神力が強くうつ病にはかからないのでしょうか?
犬の種類は、世界のさまざまな地域などのものを集めると700種類とも800種類とも言われていますが、その全ての犬種がうつ病にかかる可能性があります。なぜなら、どんな犬種であろうと感情を持っているからです。
ただ、心の病にかかりやすい子とかかりにくい子の特徴には少し違いがあります。
うつ病にかかりやすい子
うつ病にかかりやすい子は、飼い主さんに依存している犬が多いと考えられます。飼い主さんがいないと不安でお留守番もできないような子は、飼い主さんが2~3日旅行に行く間ペットホテルに預けたら、まずごはんを食べない、ホテルのスタッフの言うことを聞かない、しょんぼりして動かないなどの様子を見せることがあります。
そして飼い主さんが帰ってきた途端に元気になる、これは飼い主冥利に尽きますが、それでは本当に飼い主さんが長い間留守にすると、その犬は寂しくて心細くて心の病にかかってしまうことが考えられます。
うつ病にかかりにくい子
心が強い犬がうつ病にかかりにくいと言えますが、心が強い犬なのかどうか人間から見てもわかりませんよね。心が強くなるのは、飼い主さんと良い関係ができている犬ではないでしょうか?
お留守番をしていても、絶対飼い主さんは自分の元に帰ってきてくれると信じている犬は、元気にお留守番できます。それは常日頃から飼い主さんが愛犬にたっぷりの愛情をかけ、犬との信頼関係ができていることが大切なのです。
うつ病の予防方法
大切な愛犬がうつ病にならないために、飼い主さんにできる予防法とはどのようなものでしょうか?
それは、うつ病の原因のひとつである「寂しさや不安」を取り除いてあげること!これが最も必要ことなんです。
- 日頃からたくさんスキンシップを取ってあげる
- 時々お留守番などで犬だけで過ごす時間を作る
- 居心地の良い犬の居場所を作る
- 散歩など外の世界をたくさん見せる
時間があるときには、一緒に遊んであげることやブラッシングやマッサージなど充分なスキンシップを取ってあげることが大切です。しかし過度なスキンシップは逆影響で、あまりベタベタずっと同じ時間過ごすことも、分離不安を起こす原因となります。
できれば、犬が安心できる居心地の良い環境を作ってあげて、そこで犬だけで過ごす時間を作ってあげるようにしましょう。
そして運動も兼ねてお散歩に連れ出しましょう。外の世界を見ることは、犬にとって社会勉強になり、車やバイクなど大きな音がすることに慣れさせることもできます。
人間も家の中にばかりいるとストレスが溜まりますよね。犬も外に出ることによってストレスを発散させることができます。
愛犬がうつ病にかかったときの治療法
犬がうつ病にかからないように、予防することが最も大切ですが、もしも、愛犬の様子がいつもと違うなど変化を感じたり、うつ病にかかってしまったかもと知れない場合、飼い主さんは何をしてあげられるのでしょうか?
どんな病気でも同じですが、まずは早期に発見してあげることが大切です。そこから治療を考えていくのですが、元気が無い、食欲が無いなどの症状は、他の病気の可能性も考えられるため、まずは掛かり付けの病院で診てもらうことが大切です。
多くの動物病院では、獣医さんの内診のほか血液検査などでうつ病の診察を行います。もし他の病気が隠れていない場合、獣医さんの判断により、向精神薬や分離不安の治療薬などの投与を行うことが一般的です。ただ他の持病がある子や高齢の場合は、薬の副作用なども心配があるので、治療薬の投与をしない場合もあります。
しかし、うつの改善でもっとも有効な方法は、飼い主さんが頭を撫でてあげたり、好きな遊びを一緒にしてあげること、たくさん散歩に連れて行ってあげることです。
もちろん居心地の良い生活環境を作ってあげることも忘れずに行いましょう。
まとめ
犬の心の病「うつ病」についてご紹介してきました。
くどいようですが、犬のうつ病予防にも、うつ病にかかってしまった場合でも、愛犬が幸せな気持ちで暮らせるよう、飼い主さんがしっかりとサポートにしてあげることが一番大切なんです。
我が家もみらんが心の病にかからないよう、日頃からストレスを与えず、のびのびと生活できる環境作りに努めていきたいと思います!!
それでは、これからも愛犬とともに素敵な『わんライフ』をお過ごし下さい!