【愛犬が急に痙攣(けいれん)を起こした!】発作の原因とその対処法とは
2017/03/23
もしも突然、飼っている犬が痙攣を起こしたらどうすれば良いのでしょうか??飼い主さんはパニックになりますよね。私も愛犬のみらん(ミニチュアダックスフンド♀)が初めて痙攣を起こしたときはパニックになりました。
わが家のみらんが初めて痙攣を起こしたのは確か5歳の時でした。何の前触れもなくその時はやってきました。
当時の様子ですが、体はガチガチでよだれを垂らしながら全身を小刻みに震わせ、失禁と嘔吐しながらバタンと倒れる。。急にこんなことが起これば誰でもパニックになりますよね。
痙攣を起こしたのが夜の11時頃だったのですが、パジャマ姿のままみらんを毛布に包んで急いで夜間の動物病院に向かいました。動物病院までは車で約15分。あと5分くらいで着くというときに、急にみらんの震えが止まりました。それだけでなく何と車の中で走り回っているのです!!
・・・一体これはどういう事??と思いながら動物病院に到着。獣医さんに状況を説明し、診察してもらっているときもしっぽを振って「遊んで!遊んで!」の仕草。(ホッとしつつも少し恥ずかしかった)診察の結果は特に異常はなく、薬をもらい少し様子を見ることになりました。
獣医さんによれば、「犬の痙攣にはさまざまな原因があり、頻繁に痙攣を起こすようであれば詳しい検査をしなければいけないが、年に数回程度であれば要観察で大丈夫。犬に過度なストレスを与えないこと、誤飲などが原因で痙攣を起こすこともあるので注意してください。」ということでした。また小型犬は痙攣を起こすことが多いとも言っていました。
その後も、年に1,2度痙攣を起こすことがあります。みらんが7歳のときに違う動物病院で診てもらったのですが、やはり同じようなことを言われました。ただ、何度経験しても急に起こる痙攣はいまだに慣れません。獣医さんが言っていることはもちろん正しいのですが、一度自分でもしっかりと整理しておきたいと思います。
今回は犬の痙攣、その原因や病気、もしも起こった時のために覚えておきたい「犬の痙攣への対応」を自身の経験なども踏まえて紹介したいと思います。
Contents
犬の痙攣(けいれん) その症状とは?
まず痙攣とは、体の全体もしくは体の一部を小刻みに震わせることを言います。またワンちゃんによってその症状はさまざまあります。
- 全身を硬直させ、小刻みに震える
- 顔、手足などが部分的に震える
- 大量のよだれを垂らしたり嘔吐する
- 失禁、脱糞をしてしまう
- 意識を失ってしまう
おそら読んでくださっている方の中にも、これら経験された方はいると思います。初めてこの姿を見た時はショックを受けたのではないでしょうか。
それでは、少し症状について掘り下げて説明したいと思います。
まずこれら痙攣の原因は「脳」にあることが多いです。そして脳の痙攣をから起きる発作を「てんかん」と呼びます。このてんかんには大きく全般発作と部分発作の2つの症状に分かれます。
全般発作とは?
これは脳の全体が痙攣しているときに起こる発作です。うちのみらんもたまにこの発作を起こすことがあるのですが、特徴としてはまず発作が起こる前にウロウロしてみたり、いつもより少し落ち着きがなくなります。そして急に体全体が硬直し、震え出します。千鳥足のような状態でまともに立っている事も出来ません。その後横になって手足をピンと伸ばしたままよだれを垂らしたり、失禁したりします。意識を失ってしまう場合もあります。この症状は数分で落ち着くこともあれば、長い場合は数時間に及ぶこともあります。
部分発作とは?
これは脳の一部が痙攣しているときに起こる発作です。全般発作のように意識を失ったりすることはないのですが、顔の一部が痙攣したり、何も食べていないのに口を動かしたり、手足が痙攣したりします。見た目は普通っぽいのですが、攻撃的になったり、おかしな動きをしたり、まるで幻覚を見ているかのような行動を取ります。これもだいたい数分程度で落ち着きます。
痙攣(けいれん)の原因
痙攣の原因にはさまざなものがありますが以下が代表的なものとなります。
- 突発性のてんかん
- 事故などによる頭部外傷
- 病気
- 熱中症
- 中毒
突発性のてんかん
これは数多くある原因の中で、最も一般的なものとなります。「突発性」とはつまり原因不明を指し、遺伝の可能性が高いと言われています。特にダックスフンド、コリー、ゴールデンレトリバー、プードルなどは影響を受けやすい犬種だそうです。
また遺伝だけではなく、環境の変化(気温、住まいが変わるなど)、また恐怖や不安などでてんかんを起こすこともあります。犬は非常に繊細な動物です。ちょっとしたことで不安になり、体調を崩してしまうということがあります。
事故などによる頭部外傷
交通事故や高いところから落ちてしまった、ものにぶつかってしまったなど、脳に何らかの衝撃・ダメージを受けた場合に起こります。脳震盪(のうしんとう)に関連付けたれた発作と言えば分かりやすいかも知れません。
病気
やはり飼い主にとって一番心配なのは病気による痙攣でしょう。痙攣を起こす病気には大きく、脳に関係する病気と体に毒素が溜まって神経が侵される病気があります。
脳に関係する病気
- トキソプラズマ症・・・寄生虫が入り込む病気
- 脳炎・・・細菌やウイルスに感染する病気
- 水頭症・・・頭蓋骨の中に脳脊髄液がたまり、脳が圧迫される病気
- 脳腫瘍・・・腫瘍ができてしまう病気
などがあります。
体に毒素が溜まって神経が侵される病気
- 腎不全・・・腎臓が血液から老廃物を取り除くことができない病気
- 門脈シャント・・・先天性な血管走行の異常により、アンモニアなどの毒素が体内を回り続ける病気
熱中症
人間と同じで、体全体が高温になることで引き起こる症状。熱中症は命に関わる緊急事態なので、すぐに獣医さんに診てもらう必要があります。
中毒
犬には発作を引き起こす物質が多くあります。代表的なものがチョコレート。うっかり食べてしまった場合は発作が起こる可能性が高くなります。また殺虫剤、農薬、塗料など直接口にしなくても吸収することで発作が起こってしまうこともあります。
犬が痙攣(けいれん)を起こしたときの対処法
これは、今回一番伝えたい部分になります。
もし実際に愛犬が発作を起こしてしまったらバタバタせずにできるだけ冷静になることが大切です。抱っこしたり体をさすったりするのはNGです。発作を起こしている犬には自覚症状がありません。下手に手を出すと噛まれたりすることがあります。
まずはワンちゃんの周りにあるぶつかりそうなものをすばやく片付けましょう。片付けることが難しい場合は、ぶつかっても大丈夫なようにクッション性のあるものを当てるようにしましょう。
次に可能であれば、大きめの布団や毛布で全身を包んであげましょう。無理にやろうとするとかえって興奮してしまうので、可能であればで大丈夫です。
発作は数分ほどで落ち着きます。しかし完全にいつもの状況に戻った訳ではありませんので、静かに声を掛けてあげたり、体をさすったりして落ち着かせてあげましょう。
数分経ってもなかなか収まらないようであれば、毛布に包んだまますぐに掛かり付けの獣医さんに診てもらうようにして下さい。
まとめると
- 発作が起きても絶対に慌てない(状況をしっかり把握する)
- ワンちゃんがぶつかりそうなものは片付ける
- (可能であれば)布団や毛布などで全身を包んであげる
- 発作が落ち着いたら、優しく声を掛けたり撫でたりして安心させてあげる
- 数分経っても発作が落ち着かない場合はすぐに病院へ行く
私も初めてみらんが発作を起こし、慌てて動物病院に行った時に、「直前に何かを食べさせたか」、「どういった発作(状況)であったか」、そして「どれくらい発作が続いたか」を飼い主さんがしっかり伝えてくれることで、適切な治療につながると先生に言われました。獣医さんが犬の痙攣に遭遇するのは稀です。なので飼い主が責任を持って状況説明することがとても重要だと痛感しました。
今回のまとめ
痙攣は何かしら体に異常があるサインです。放っておくと取り返しのつかないことだってあります。
犬は人間のように話すことが出来ません。日頃から愛犬の様子を細かく観察し、いざという時に冷静かつ迅速な判断ができるように心がけましょう!